WEEKLY COLUMN
手土産編 #02
思わず心が和む、ほっこり系の手土産

ひと目でわかる目新しさよりも、懐かしさ、親しみ、素朴さが香る手土産が、互いの間に流れる緊張を解きほぐし、壁を取り払ってくれることもあります。
今回はそんなほっこりするふたつの選択肢を。

昭和の味を今に語り継ぐ、老舗の絶品玉子サンド

玉子サンド1250円
天のや tel:03-5484-8117
https://amano-ya.jp/
※前日までに要予約

ふっくらとした食パンの間に挟まれた肉厚な出汁巻き玉子。『天のや』の玉子サンドには、見た目のインパクトというよりは、どこか心が落ち着くような懐かしさが感じられます。
それもそのはず。なにせ、昭和から平成、そして令和を駆け抜けている超人気の“庶民の味”なのですから。

『天のや』は昭和2年(1927年)、大阪府北区曾根崎にて創業を開始します。空襲による焼失にも屈せずに力強く復興を遂げ、昭和46年(1971年)には数多のメディアにも取り上げられるほどの人気店となりました。その顧客には、歌舞伎役者や文楽の人形使い、大夫、芸人なども数多くいらっしゃったのだとか。
そして、平成14年(2002年)には東京・麻布十番へ移転。今ではミシュランガイド東京にも名を連ね、世界にもその名が知れ渡っています。

同店で昭和7年(1932年)から作り続けられている看板メニューこそ、玉子サンド。厳選した国産の卵に、濃縮された関西風の出汁をたっぷりと注ぎ込んだ出汁巻き玉子は、口に入れた瞬間から出汁の風味が口の中いっぱいに広がります。出汁巻き玉子は、ふわふわの食感。これにはもう驚くしかありません!そこにアクセントを添えるのがカラシをブレンドしたマヨネーズソース。マイルドな辛味が味に奥行きを生み、さらなる食欲をそそります。
賞味期限を伸ばすための保存料は一切不使用。そのさりげないこだわりにも老舗たる矜持を感じることができます。

長きにわたり愛されてきた庶民の味は、正真正銘、やみつきになるほどの美味さだと断言できます。巷で流行しているような手土産も確かにいいかもしれませんが、『天のや』の玉子サンドには贈る側の真心がしっかりと伝わる魅力があります。

自由を満喫する、牛たちからの恩恵

中洞牧場牛乳[720ml×3本セット]3564円※冷蔵便
なかほら牧場オンラインストア tel:050-2018-0110
https://shop.nakahora-bokujou.jp/

その牛乳瓶を目の当たりにしたら、これはもう懐かしい記憶が呼び起こされるに違いません。たとえばそれは朝の食卓、あるいは銭湯、人によっては学校の給食、なんて方もいるでしょう。いずれにせよ、えも言われぬノスタルジーがあなたの心を穏やかに高揚させるはず。

岩手県岩泉町にある中洞牧場では、24時間365日、昼夜自然放牧という山地酪農を行なっています。牛は自然に生えている野シバや木の葉を食べ成長。繁殖も“自然交配、自然分娩、母乳哺育”が基本で、食事、排泄、睡眠も全て牛任せ。
つまりは、牛のライフスタイルにとことん寄り添った酪農を行っている牧場なのです。

そんな牛たちから得た恩恵こそ、この牛乳です。ストレスなく自由気ままに、太陽と雨と土中のバクテリアのみで育った草木を食む生活を送る牛の新鮮な牛乳は、牧場内にある加工場で丹念に仕上げられます。
63〜63.5℃をキープしたノンホモ・低温殺菌仕上げにより、その風味はまるで搾りたてを味わっているかのよう。当然ですが、化学的添加物も一切使用していません。季節によっても味が変わる点も、大きな魅力といえます。

こだわり抜いた飼育・製法により生み出した牛乳は『ご当地牛乳グランプリ最高金賞』をはじめ、これまでさまざまな賞を受賞しています。その理由は、一度口にしてみるとすぐに分かってもらえるはず。深いコクと甘みは格別で、その味を覚えてしまったらこの牛乳以外は飲めなくなってしまうかも!?
ちなみに、この牛乳に、同じく放し飼いで飼育している鶏が産んだ卵を加え、有機栽培のブルーアガペシロップで甘みを添えたぷりんもおすすめです。

脈々と受け継がれる伝統の味、雄大な自然の中で育まれた牛たちからの恵み。そこに感じられる優しさこそ、手土産の本質があるのではないでしょうか。